東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜

言わずと知れた、大ベストセラー。私もようやく読みました。
第3回本屋大賞受賞。

著者の半生における、家族との関わりや、家族を含んで取り囲んでいる、自身の周辺の人々との関わりについての体験を元に、家族、両親の大切さ、温かさをわかりやすく描いている本でした。

感想としては、非常に読みやすい文面で、入り込みやすく、どんな人であっても、本のどこかしらの内容に対し、自身の家族に対する思いや体験をトレースして考えることで、共感を深めることができる本だな、と思いました。

私の場合、いつか家族はばらばらになってしまうかもしれない、という想いを強くもって育ってきたこともあり、共感できる場面も多い反面、家族の大切さを論じている部分などでは、当たり前的な見方をしてしまう場面もあり、この本を読んでボロボロ泣く、ということはなかったです。

ただ、忙しい中で、ないがしろにしてしまいがちな、「自分にとって、ずっと変わらず父・母である両親」に対して、改めて感謝の気持ちを思い起こしてくれる、そんな温かい作品でした。

どちらかというと、女性より男性におすすめですが、家族愛について大きく語ることが少なくなっている昨今、家族の大切さについて、改めて主張するためのきっかけにできる本だと思います。